『アミガマリオン ― “茫漠”について』

DropはCT、対象ゾーンもCTになります。
アミガマリオンはこれでCompかなー。CTは残りパイレーツ・クイーン5巻のみ。

この本の題名は『アミガマリオン ― “茫漠”について』だ。アミグダランの神話を集めたものらしい。

我らはアミグダラン、アミグを食す者なり。およそあらゆる感情が我らの食物となるが、最も好ましいのは“下等な心”を持つ者より得られる真のアミグなり。我らの歴史のみが真の歴史。他はすべて恐れを抱く者たちを慰めるための欺瞞である。


“茫漠”において、我らアミグダランには家が必要であった。我々は家を造る方法を考えた。まわりにある世界には、豊かな感情が渦巻いていた。それらのうち、我々を圧倒しないような物が材料として適していた。“原初の想”のリザードマンもまた故地を追われ“茫漠”にいた。我々は彼らに我らアミグダランのための家を建てさせることにした。


リザードマンは恐怖を感じながらも、“原初の想”にあった我々の素晴らしい家と同じ形の家を建て始めた。我々は彼らにアミグの味わいしたたる熟した皮を与えた。我々はもっと美味なものを食した。Cazic-Thuleなるその御方の玩具にして巨大な野獣の味わいを持つものたちを捕食した。彼らのアミグは時間が経てば苦く、味気がないものになってしまうので、新鮮なうちに味わうのが常だった。


我々は新しい家に満足したが、アミグの源なるものの力の及ぶ範囲にはいなかった。そこで我々はもう一度、我々を圧倒しない感情をもつ者どもを利用し、新しい神殿を造らせた。我々は偉大なる想念に向かい歌を歌った。すると我が主は化身の形をとって神殿にやってきた。


化身は、我々が彼を崇拝するために建てた神殿を歩いた。このことにアミグの源なるものはお喜びになり、我々に“原初の想”へ戻ることをお許しになった。我々は“茫漠”を抜け出し、喜んで真の世界に向かった。我々は“原初の想”で日々を過ごしていたが、あるとき“万色の侵犯”が訪れたのをきっかけに、我々は再び飢えを味わうことになった。


アミグの源なるものに守られて暮らしていた我々は“恐怖”の味を忘れてしまっていた。“万色の侵犯”は我らのポータルを用いて“原初の想”に侵入し、鋼鉄と痛みとをもたらした。この定命の者たちの勢力は非常に大きかったため、ついに“偉大なる想念”が直接手をくだし、定命の者たちを滅ぼされた。これが“真の追放”の前兆であった。


Cazic-Thuleなるその御方は、我々に“茫漠”へ戻るよう命じられた。我らにお怒りだったのではない。逆に、我らの力を見込まれてのことだった。アミグの源なるものは、勝手に愚かなものを創った“下等な心”を罰された。その後、アミグの源なるものが戻られるときのために我々アミグダランは準備をしていた。我々は、“茫漠”ではさまざまな“恐怖”が果てしなく続くことを知り、徐々に痛みが薄れていった。我々はかつてのように祝宴をあげるようになった。


アミグの源なるものの力の及ばないところにいた我々のために、主は新しい化身を創り、送られた。我々はその化身を神殿の最も神聖な部分に隠した。2つの月がさまざまに移り変わっていくあいだ、化身はCazic-Thuleなるその御方の意に従い行動した。化身の力もあり、我々は、鮮やかな味わいを持つ“巨大な野獣”たちが神殿に入るのを防ぐことができた。しかし我々が思っていた以上に、彼らは心から溢れ出るアミグを抑えることができたのだ。


我々はアミグの源なるものに要求された唯一のことを失敗してしまった。我々は化身の安全を守れなかったのだ。そこで我々は助けてもらうため偉大な秘密を呼んだ。“巨大な野獣”たちはアミグの源なるものへ捧げた神殿も破壊し、化身も粉砕した。彼らは偉大な秘密を解き放つことで、将来に存在しえたあらゆる想念の助けを断たれたのだ。そして、我々は自らの失敗に対する罰をただ待つのみとなった。


罰は始まった。我々の命令でリザードマンは神殿を建て直した。しかし、翼ある巨大なリザードマンがCazic-Thuleなるその御方の神殿へとやってきたのだ。翼ある巨大なリザードマンは我々の罰の始まりでしかなかった。アミグの源なるものが戻られて、我々のせいで倒された化身を見たとき我々が感じるだろう痛みに比べれば、翼あるものがもたらす痛みなどたいしたものではなかった。

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