『定命の者の食し方 ― 鈍重な思念を食す』『パイレーツクイーンとシーフュリー・バッカニア』完成

定命シリーズはもう1種類ありまして、そちらは2冊取得済みです。この『鈍重』はしいて言えば続編じゃないかと思います。もう1冊のほうが前置き丁寧なので・・・。一応答え隠しておきます。ドラッグすると見えます。
パイレーツクイーンはおそらく1巻にあたるものを今消化中。4巻は別キャラで済ませてあるので、いっしょに載せておきます。完結のはずの5巻だけがありません。ちょっと気になるじゃありませんかその展開(゜Д゜);;
CT本で足りてないのが、『The Pirate Queen and the Nightmare Creature』と『The Amygamalion - The Dulling』。日本語だとどういう訳なんだか。


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『定命の者の食し方 ― 鈍重な思念を食す』


この本は『定命の者の食し方 ― 鈍重な思念を食す』と題されている。アミグダランが獲物の心を食いつくす前にかける謎を集めたものらしい。


定命の者本来の味を引き出すには、皮膚の穴からアミグを出させなければならない。アミグは芋虫のような姿をしており、その味は体を覆う毛の色合いと同様、多岐にわたっている。そのため往々にして真の風味を味わうことなく食してしまいがちである。定命の者に話しかけるときには「逃げるチャンスがあるかもしれない」と常に思わせることが大切だ。激しい感情の揺れがアミグの味を極上のものにするからである。“小さな心”を持つものには以下に記す謎をかけるとよい。


正しい手順: 毛虫になぞかけを出して、9触手秒待つ。その後、彼らのアミグや、外皮の美味そうな部分を味わうとよい。質問: いつもすべての終わりにくるものとは?


答え ?「すべて」の「て」の文字




質問 ?  扉もなく窓もなく壁もなければ屋根もないのは何ルーム?



答え ?  マッシュルーム


質問 ?  絶対に「はい」と答えられない質問とは?



答え ?  「あなたは寝ていますか?」



質問 ?  リザードマンが9匹のカエルを飼っていた。そのうち7匹以外、みな死んでしまった。残ったカエルは何匹?


答え ?  7匹



質問 ?  触ったり手を使ったりしなくても、止められるものは?



答え ? 



質問 ?  たった1つの言葉で破れるものは?


答え ?  沈黙



質問 ?  私は踊れるが足がない。息をするようにみえるが肺はない。生命はないのに、生まれ、そして灰になる。私とは何?


答え ? 



質問 ?  上にも下にも横にもたくさんの穴が空いているのに、水を内部に留めておけるものは?


答え ?  スポンジ



もし毛虫が正解しても、やつぎばやに次の質問を出し、決してホッとする余裕を与えないこと。さもないと彼らのアミグの味が台無しになってしまう。


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『パイレーツクイーンとシーフュリー・バッカニア』


この本の題名は『パイレーツクイーンとシーフュリー・バッカニア』だ。パイレーツクイーンを主人公とする全5巻の物語の2巻目だ。


Pirate Queen Altaは生涯にわたり5つの海で暴れまわった。海は危険な場所であり、船乗りにはもともと勇敢な者が多い。そんな彼らを乗せた船を獲物とするからには、彼女に従う乗組員はそれ以上に凶暴な荒くれ者ばかりであった。金銀財宝の魅力をえさに乗組員に忠誠を誓わせ、彼女は探索を続けた。


どれだけ多くの船を襲い、宝を奪い、沈めていっても彼女は満足できなかった。彼女のハートは氷のように凍てついてしまった。それを温められるものはこの世で1つしかなかった。海洋での冒険にまったく興味がなくなった彼女は、ルビサイトのハートだけを求め、港という港を訪ねた。


オーガの頭と同じくらいの大きさの宝石、ルビサイトのハートこそ、パイレーツクイーンが求めていたものだった。彼女が持っている本には“どのように”伝説的な宝石を手に入れるべきかは書かれていたが、“どこに”宝石があるかは記されていなかった。場所の情報は、地図とともに消えてしまったのだ。本の中で、暗いジャングルに覆われた島が描写されていた。その箇所が、唯一の手がかりだったのだ。


広い海にはたくさんの小島があり、その中のどれかに、本に出てくる密林の島がまだ存在していることを彼女は願い続けていた。彼女はさまざまな場所から集めた仲間たちとともに、そのジャングルを探し島から島へと航海を続けていった。多くの季節が過ぎ去ったが、そのあいだも彼女は商船を襲撃することをやめたわけではなかった。次々と入れ代わっていく船員たちの報酬を確保する必要があったのだ。


パイレーツクイーンの噂は世界中に知れ渡り、彼女の立場は狙う側から狙われる側に変わっていった。彼女が大量の宝を持っていることを知る世界中の海賊たちが、彼女をつけ狙うようになったのだ。しかし、そんなことで活動を控えるような彼女ではなかった。むしろ、3つの帆を広げ、意気揚々と世界の海を股にかけた。


しかしずっと順風満帆というわけにはいかなかったのだ。ある日、ペイントハーピィ号は今までと同じように商船を襲撃した。彼女の手下たちが、その商船の甲板に降りたとき、彼女はその船の船員たちが全員、自分が以前に雇っていた者たちであることに気づいた。悪い予感がした彼女は、手下にすぐにペイントハーピィ号に戻るよう命じた。しかし時はすでに遅かった。彼女は罠にはめられたのだ。


商船に乗っていた船員たちは、変装を脱ぎ捨てた。全員がシーフュリー・バッカニアの海賊たちだった。ペイントハーピィ号の船員が甲板に戻ってきたときにはすでにバッカニアたちが引っかけいかりを手すりにかけ、双方の船体を密着させていた。こうして、激しい戦いの火蓋が切られた。


2つの甲板に鋼鉄の剣がぶつかり合う音が響き、両方の多くの船乗りが倒れていった。20人以上もの敵を倒したパイレーツクイーンは、とうとうバッカニアの船長と戦うことになった。彼女は自分が知る限りの汚い手を尽くし、その強敵をついに倒したのだった。


その戦いが終わったとき、2つの船は死体で溢れかえっていた。かろうじて生き残った者も虫の息で、無事といえるのは自分1人だけだということに彼女は気がついた。彼女は2つの船を縛りつけていた縄を切って商船を切り離した。こうして、再び航海は続けられた。


激しい戦いのあいだに、船は航路を大きく外れてしまい、パイレーツクイーンも自分がどこにいるのかわからなくなっていた。航海士は甲板で死んでいる。彼女が絶望に襲われかけたそのとき、水平線上ににそれまで1度も目にしたことのない島が浮かび上がってきた。それこそ、長い年月のあいだ人々に忘れられていたフィーロットのジャングルだったのだ。

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『パイレーツクイーンのハート』


この本の題名は『パイレーツクイーンのハート』だ。パイレーツクイーンを主人公とする全5巻の物語のうち、第4巻目にあたる。


何年ものあいだ、海原を行きかう船を襲い続けたPirate Queen Altaはノーラスの海賊たちにも恐れをもって語られる存在となった。失われたジャングルを探すため5つの海を縦横無尽に駆け巡り、そのあいだも冒険の資金を得るためにたくさんの船を餌食にした。だがその探索もやがては終わりを迎えることになる。


長きに渡り、ルビサイトのハートを探し続けてきたパイレーツクイーンのAltaは、とうとう幻の島を見つけた。危険なジャングルを通り抜け、悪夢から抜け出してきたような光景すらも目のあたりにはしてきたが、目的地であるカジック・シュールの神殿にたどり着けないことがあろうとは一度たりとて考えたことがなかった。


その巨大な建造物を前にしたとき、“恐怖”の波動のようなものを感じた。長年のあいだ探し続けてきたその建物が、彼女の前に立っているのだ。冒険者の日誌を読んでいた彼女は、この神聖な建物に正面の扉から入れば、瞬く間に殺されてしまうことを知っていた。なんという幸いだろう、彼女は安全に入れる裏口を知っていた。


神殿の横を進んでいく彼女は、その建物の脇に流れ込む小さな滝を探した。リザードマンに見つからないよう注意しながらその滝に近づき、流れ落ちる水の向こうへ身を躍らせた。滝の後ろは一見どこにも繋がっていない小部屋になっていた。楕円形のレンガの3つめを4回押した。すると小さな扉がゆっくりと開いた。


扉の先は曲がりくねった下水道への入口になっていた。この通路中に猿のような生き物の腐敗した死体が散らばっていた。この生き物が自由に神殿を歩き回っていたことを日誌で読んでいた彼女は、この状況がおかしいことに気づいた。しかしここまで来て引き返すという選択はなかった。パイレーツクイーンはさらに奥へ進んでいった。


まるで永遠に続くかのような迷宮も難なく進んでいった彼女は、神殿へと続く梯子には目もくれず下水道の奥へと進んで行った。そこは日誌に書かれていたとおり行き止まりになっていた。壁の石のあいだにある隙間を見つけた。特定の穴に特定の順番で手を入れていくと、前の壁が姿を消した。それを見た彼女は驚きではなく、安堵を感じていた。


たいまつを消し、Altaは目の前に現れた新しい通路を進んでいった。このトンネルはそれまでの下水道とは違い、らせん状に昇っていくものだった。永遠に感じられるほど長い時間を歩いた後、再び行き止まりに行き着いた。日誌を開いた彼女はこの場所について書かれた箇所を探した。その記述を見つけた彼女は壁に向かって唱えた。「シャー・アー・イー」


その言葉を発すると、壁は前回と同じように消え去った。目の前には丸い形の部屋が現れ、壁にはルーンが並んでいた。ルーンはさまざまな色に輝き、その色は変化している。しかし、彼女はそんなことを気にも留めなかった。なぜなら部屋の中央に、長年夢見てきたルビサイトのハートがあったのだから。


日誌に書いてあるとおり、ルーンが緑色に光っているときにだけ、慎重に近づいていった。しかし、このルーンの色に関する記述を最後に日誌の記述は途切れていた。まだ別の罠が仕かけられているのかどうか、何も手がかりはなかった。彼女は大きく息をしてから最後の1歩を踏み出し、ルビサイトのハートの前に立った。


彼女は目を閉じて手を伸ばし、その宝石をつかんだ。オーガの頭ほどあるその石は、驚くほど軽かった。その表面の冷たさを感じながら、ゆっくりと石を持ち上げ、ノーラスで最も貴重な宝石を見つめた。すると、数百もあるカット面に、異形の姿が映し出されていた。顔に無数の触手が生えた奇怪な姿の怪物だった。顔を上げた彼女の前に最後の罠が待ちかまえていたのだ。

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