『パイレーツクイーンと恐怖の神殿』『アミガマリオン ― 様態について』完成

『アミガマリオン』のほうはオブジェクトからの拾い物です。カジック・シュールはEQ1のとき選べた信仰神のひとつで、恐怖の神様です。The Faceless(無貌の者)の別名を表すかのような内容になっていますね。
『パイレーツクイーン』は冒険小説シリーズです。まだ1-2冊拾えてないです。


* * *


『パイレーツクイーンと恐怖の神殿』


この本の題名は『パイレーツクイーンと恐怖の神殿』だ。パイレーツクイーンを主人公とする全5巻の物語の3巻目だ。


何年ものあいだ、海原を行きかう船を襲い続けたPirate Queen Altaはノーラスの海賊たちにも恐れをもって語られる存在となった。失われたジャングルを探すため5つの海を縦横無尽に駆け巡り、そのあいだも冒険の資金を得るためにたくさんの船を餌食にした。だがその探索もやがては終わりを迎えることになる。


バッカニアの一団との激しい戦いに生き残ったAltaは、今まで必死に探してきた島の岸についにたどり着いたことを知った。急いで船室に行き、彼女は日誌を手に取った。そこには、この忘れられた島に隠されている財宝、ルビサイトのハートを手に入れる方法が書かれているのだ。


可能な限り島に近づいていかりを下ろした彼女は、荷物をまとめ、こぎ舟に乗った。そしてペイントハーピィ号の船体を優しく叩くと、岸へと漕ぎ出した。砂浜についた彼女はすぐにジャングルへの道を探し始めた。見つかったのはジャングルの方角へ続くと思われる洞窟の入口だけだった。彼女はためらわず、その中に足を踏み入れた。


目論見どおり、その洞窟はジャングルにまで続いていた。日誌を何度も読んで内容をすべて暗記するまでになっていた彼女は、自分が正しい道を進んでいることを知った。廃墟と化した前哨地を目にした彼女は、これだけの年月が経た今でも、ジャングルの中の道が残されていることを願いながら進んでいった。


それほど時間が経たないうちに、探していた道は見つかった。ジャングルの凶暴なモンスターに気をつけながら、彼女は慎重に道を進んでいった。遠くで歩いているトカゲたちを見た彼女は、まわりの様子を見るため、いちばん背の高いヤシの木に登った。


高い位置からまわりを見ると、ジャングルはさまざまな生物で満たされていることがわかった。彼女は、本のおかげで森に潜むモンスターのことを把握していた。見回りのリザードマンが通過するのを待ってから木を降り、北にある真の目的地へ向けて歩き始めた。


それから数時間かけてジャングルを進んでいったが、パイレーツクイーンはさまざまな恐ろしいモンスターを避けることができた。かりそめの生に縛られるアンデッドのたまり場や、ヒューマンの顔を持ちサソリの尾を持つライオンなどに近づかないよう慎重に目的地へと向かっていった。ルビサイトのハートは、もうすぐそこなのだ。


ジャングルを歩き始めてまるで何日も経ったかのように感じられたとき、彼女は木々の中でひときわ高い物を目にした。最初は大木としか思えなかったそれは、近づいてみると、天を衝くようにそびえ立つ巨大なリザードマンだった。どの大木よりも高い位置から、それは彼女を真っ直ぐに見つめていた。


今まで見たこともないモンスターを前にし、彼女の足は自然と震えた。巨大なリザードマンは彼女をしばらく見つめた後、顔を元の向きに戻し、ずしんずしんと林の中に消えていった。命拾いをしたAltaは、そのとき、これ以上恐ろしいものは存在しないと思った。しかしそれも、神殿を見つけてその内部に足を踏み入れるまでのことだった。


再び歩き始めたパイレーツクイーンは、とうとう目的の建造物にたどり着いた。長年夢見たルビサイトのハートが眠っているはずの建物だ。それはまわりの崖よりも高くそびえ、何百個という巨大な石の塊を削って造られた壮大な神殿だった。それを彼女はうっとりと見つめた。日誌によれば、ルビサイトのハートはこの建物……カジック・シュールの神殿のうちに隠されているはずだった。

* * *


『アミガマリオン ― 様態について』


この本の題名は『アミガマリオン ― 様態について』だ。Cazic-Thuleについての神話を集めたものらしい。


世界が思考や感情で満ち溢れる以前、存在していたのは“感ずる者”たちだけであった。すべての感情を支配する彼らの周囲にはアミグの源なるものがあった。彼らは孤独だったので、はっきりした形を持つことなく、またその必要も覚えなかった。しかしやがて“下等な心”を持つ者たちが形を持ち始めたため、彼らもまたそうすることにした。


究極の英知を持つ我らが主は、他の“下等な心”を観察され、彼らが固い様態を選ぶのを見届けることにされた。このさまざまな感情たちがそのの変容を終えたころ、アミグの源なるものは何よりも大きい様態へと変化された。これにより、我らが主は“下等な心”に力の違いを示し、彼らを威圧されたのである。


我らの主は、“下等な心”の中でも最初に形を選んだ者を訪ねられた。そのときCazic-Thuleとも呼ばれるアミグの源なるものは最も固い様態であったが、どんな様態を選ぶべきかと尋ねた。遅々たる地の想念の番人たちは、アミグの源なるものに対し、何よりも固いものになるように言った。そしてCazic-Thuleなるその御方はあらゆる石よりも固い様態を選ばれた。


次に我らの主は、“下等な心”の中でも最も力強いと主が目されていた想念を訪ねられた。主は、火の番人に、どんな様態になるべきかをお尋ねになった。すると火の想念は、ぶっきらぼうに答えた。素早く反応ができ、すべてを飲み込める様態を選ぶべきだと。我らの主はそれまでの石の様態から、ゆっくりと動く溶岩へと様態を変えられた。


Cazic-Thuleなるその御方は空を飛び回っている翼ある想念に遠くから話しかけられた。どんな様態がいいか尋ねられると、短い答えがたくさん返ってきた。主は、この“下等な心”は風に吹かれ飛ぶ向きが変わるのと同じように考えも変わっていくのだと理解され、その場をあとにされた。


病気のように流れている想念を見つけたアミグの源なるものは、この水のような“下等な心”の話に忍耐強く耳を傾けられた。流れる水のようなものはCazic-Thuleなるその御方に、満ちたり引いたりする形を選ぶように言った。この話を聞き、アミグの源なるものは流れる溶岩へと様態を変えられ、いたるところに自分の存在を広げていかれた。我々の前から姿を消したCazic-Thuleなるその御方は、あらゆる場所に存在すると同時に、どこにも存在しなくなってしまった。この愚かな助言の罪は永劫に許されぬであろう。


自分の体を取り戻すのに苦労されていたアミグの源なるものの怒りは募っていった。そこに、無の“下等な心”がやってきて、苦しまないようにと言った。この偉大な無は、どんな様態も取るべきではないと助言をした。自分の英知がこの“下等な心”のものよりもずっと優れていることを理解されていた主は、この言葉を無視された。


また別の“下等な心”が主のところへやってきた。“下等な心”の中では最も力強く、アミグの源なるものに対し最も忠誠を示しているものだった。この憎しみの想念は、Cazic-Thuleなるその御方に、このような形をとらせた者に対する憎しみを感じるよう助言した。この想念の力を集められたCazic-Thuleは自分の顔を憎しみの想念と同じものに変えられた。


アミグの源なるものが自分の王国、“原初の想”に入られると、偽りの想念が近寄ってきた。そして、今の主の顔は憎悪の想念の顔と同じであり、これでは主よりもずっと劣る存在と同じように見られてしまうと助言した。この偽りの想念の助けにより、アミグの源なるものの顔は、主の偉大さを反映したものに変わった。これにより、Cazic-Thuleなるその御方は柔らかい虫のような体でありながら、威厳とたくましさを兼ね備えた顔を持つようになった。


新しい様態に満足されたアミグの源なるものに最後の想念が近づいてきた。この陽気さと喜びに溢れる想念は、我々の心に酸敗した不快な味をもたらすものであった。彼は主に対し、顔だけでなく体全体を威厳のある風貌に変えるよう助言した。自身がどんなものよりも優れていることを理解されていたアミグの源なるものは、誰にもかなわない威厳のある究極の様態になられた。眩惑の想念は、すえた匂いをふりまきながら偉大なる者の前から消えていった。結局この小さな想念が“下等な心”たちの中で最も賢かったのだ。こうしてCazic-Thuleなるその御方は、すべての“下等な心”たちの洗練された様態を手に入れられた。

ブログランキング